第8回全国障害者芸術・文化祭滋賀大会の開催にあたりまして、主催者として一言、御挨拶申し上げます。
「この子らを世の光に」の言葉を私達に残され、障害者福祉の礎を築かれた糸賀一雄先生らにより、昭和21年、大津市南郷に設立された「近江学園」において取り組まれた先進的で、独創的な創造活動の種が、多くの関係者の皆様のたゆまぬ御努力によって県内各地域に広く根を張りました。その大きな成果である本大会を滋賀県で開催出来ますことを心より嬉しく思います。
障害者等の芸術作品に関して世界的な権威であるスイスのアール・ブリュット・コレクションと、近江八幡市にありますボーダレス・アートミュージアムNO-MAとの共同企画による世界で初めてのコラボレーション展を、北海道旭川、NO-MAで開催し、そして本日から東京で開催しております。NO-MAでは県内外から多くの方が来場され、通常の美術展という枠ではとらえきれない奥深い魅力が国境を越えて人の心を揺り動しています。
こうした取り組みをさらに加速させ、本大会では、「障害」の枠にとらわれない、人間本来のもつ共通普遍的な表現の力と芸術性・文化性を滋賀から全国に情報発信し、ボーダレスな芸術・文化活動を積極的に創造することを目指しています。なお、従来の全国障害者芸術・文化祭は、短期・集中的な開催でありましたが、本大会は本県独自の取り組みとして、1年を通じて県内全域において、様々な催しを展開していくこととしております。
結びに、本大会の開催にあたりまして、厚生労働省をはじめ関係者の皆様に多大なる御支援・御尽力をいただきましたことに対し、厚くお礼申し上げますとともに、これから1年間、県内各地で繰り広げられます様々な取り組みを通じて、県内外の方々に滋賀ならではの感動が広がることを期待いたしまして、開会にあたってのご挨拶とさせていただきます。
平成20年5月24日
第8回全国障害者芸術・文化祭滋賀大会会長 滋賀県知事 嘉田由紀子